ヘッダーイメージ 本文へジャンプ
コラム
このページは会員の自由な発言の場にしております。内容も鳴く虫だけに限定せず、虫一般、鳥、花、植物から生物一般まで自然に対し会員が感じたり、考えていること何でも自由に発言し、会員相互の意や情報交換の場にしております。

ご投稿をお待ちしております


掲載内容
鳴く虫とクラシック音楽
鳴く虫「へー、そうなんだ!」、スズムシの飼育方法
寺澤会長鳴く虫についてのエッセー(2014年8月読売新聞夕刊4回シリーズ)
竹ヒゴの虫かご、虫かご、中国での虫の鑑賞、日本人と西洋人の虫の声の聞き方
オペラに出てくる虫たち、長唄に唄われている鳴く虫たち、筝曲「虫の武蔵野」
エンマコオロギと鳴く虫、枕草子の「虫は・・・」、源氏物語 鈴虫、カンタンの交尾・産卵・共食い、カンタンの一言カンタンとの出会い、集音器、 虫のスケッチ、会員の句集詩集、
鳴く虫参考書、「虫の声」の歌とコメント、「虫の楽隊
2014年09月08日 09時14分
2019年04月10日 19時35分
2019年04月29日 09時16分
鳴く虫とクラッシック音楽2
加藤訓子(パーカッション奏者)のCD「ライヒ:ドラミング」はミニマルミュージックのアメリカの作曲家スティヴ・ライヒの作品を1人で多重演奏・録音したことで評判になりました。
ミニマル・ミュージックとは最小の音素材を基に、音型やリズム型を延々(10分も20分掛け)200回も300回も変化反復させ、構成していく音楽です。
この音楽を聴くと、ライヒが直接その音型を使用したかどうかは分かりませんが、私には次のような音型が連想されました。
〇阿波踊りを連想させるリズム
〇SLのシュッ!シュッ!!ポッ!ポッ!
〇マツムシのチンチロリン、チンチロリン!〇ウグイスのホケキョ!ホケキョ!
鳴く虫が多少変化しながら、延々と鳴く声はまさにミニマルミュージックです
(神奈川支部石川雅夫)

カテゴリー:日記

鳴く虫とクラシック音楽1
2016年2月11日日記より
1)最近「アントモフォニー斉木由美管弦楽作品集」という鳴く虫から発想を受けた音楽のCDが出ました。斉木由美は1995年パリ高等音楽院を首席で卒業、現在東京芸術大学他で後進の指導にあたっている他、日本音楽コンクールの審査などをやっているほか、芥川作曲賞を受賞するなど最先端の作曲家です。
2)解説書によると、「アントモフォニー」とはギリシャ語で昆虫を表す「エトモス」と音を表す「フォネー」をつないでフランス読みした造語とのことです。
作曲家は信州の高原で聞いた様々な虫の音(コオロギ、キリギリス、カネタタキ、ヒグラシ、クツワムシ、スズムシ、マツムシ等)から発想を得たとのことです。
3)西洋音楽で鳥の鳴き声からの曲は沢山ありますが、このCDのように鳴く虫から発想を得た、現代音楽は初めてと思います。
私も20分も30分も鳴きつづけるカンタンの鳴き声を聞いていると、現代音楽の一手法であるミニマル・ミュージック(パターン化された音型やリズムの反復)を類似性を想起します。このCDはミニマル音楽とは別の幽玄の世界に引き込んだくれます。
(神奈川支部 石川雅夫)
カテゴリー:日記

鳴く虫「へー、そうなんだ!」
1.鳴く虫とはどんな虫?
 「鳴く虫」として、コオロギ、キリギリス、バッタ、セミなどが知られております。
 このうち、当会で現在飼育対象となっている虫はコオロギ科、キリギリス科の虫です。
 具体例としては尋常小学校唱歌「虫の声」で歌われているマツムシ、スズムシ、
 キリギリス、エンマコオロギ、クツワムシ、ウマオイ等です。
2.鳴くとはどういうことですか?
 鳴く虫には4枚の羽があります。上の左右の羽2枚を擦り合わせて音を出すことを
 「鳴く」と云っております。そして、鳴くのはオスだけです。
3.鳴くのはなぜですか?
 主にメスへの求愛のためです。しかし、良く聞いていると同じ虫でも違った鳴き声を
 することがあります。例えばエンマコオロギの鳴き声には、いわば縄張り宣言の「一人
 鳴き」、オス同士喧嘩の時の「喧嘩なき」、メスを誘っているときの「誘い鳴き」の3種類
 の声があることが知られております。
4.鳴く虫は何年生きているのですか?
 殆どの鳴く虫は、卵の形で土の中や草や木の茎の中で8か月間ほど、孵化⇒幼虫⇒
 成虫の時期は4カ月間ほど地上で過ごし、合計1年間が一生となります。
5.鳴く虫を聴く文化は何時ごろからあったのですか?
 はっきりはしませんが、既に奈良・平安の時代の古典文学に鳴く虫が、例えば作者の
 心情を代弁するものとして登場しており、この鳴く虫を愛でる文化が現代まで続いており ます。
 因みに、現在使用されている紙幣の中にも今から千年ほど前の平安時代に書かれた
 源氏物語の「すずむしの巻き」が描かれたお札があります。ご存知でしょうか?
6.鳴く虫は1日のうち何時ごろ鳴くのですか? 
 殆どの鳴く虫が鳴くのは暗くなる「夜間」です。大体夜の7時半から8時頃に鳴き始めま  す。しかし、鳴いていても照明をあてたり、音を立てると鳴きやんでしまいます。
 なお、スズムシは夜だけでなく「昼間」も鳴きます。またキリギリスも主に昼間高原など  で鳴いておりますが、暑い夜に鳴くことがあります。
7.秋の何時頃まで鳴いているのですか?
 多くの虫は8月上旬頃から鳴き始め、9月下旬から10月上旬くらいまで鳴いていま
 す。なお、ツヅレサセコオロギ、クサヒバリ等は11月上旬頃まで鳴いています。
8.寒い夜でも鳴くのですか?
 鳴く虫は大よそですが気温が15度を下回りますと鳴かなくなります。
 しかし、夜鳴かない代わりに日中温かければ昼間だけ鳴くこともあります。
9.鳴く虫で一番飼育されているのはどの虫ですか?
 それはスズムシです。何時ごろから飼育されていたかはっきりしませんが、江戸時代
 には、スズムシが人工孵化されていたとの記録が残っています。スズムシに人気がある
 のは、「連れ鳴き」(合唱)をし、昼間でも良く鳴いてくれること、土中産卵でもあり、人工
 飼育が簡単ということからではないかと思います。
10、鳴く虫にはどのような餌を与えたらよいのですか?
 殆どの鳴く虫は「雑食性」です。植物性と動物性との両方を食べます。
 その両方をバランスよく与えることが大切です。植物性は「穀類・野菜」「果物」「草類」  で、動物性は「カツオブシ」「魚粉」等です。「植物性」と「動物性」の両方を与え、虫の
 食べ方によってその割合を調整します。
11.スズムシを3年飼育していたら失敗しました。原因は近親結婚ですか?
 虫の場合は近親結婚という要素は考える必要はないと思います。
 飼育の失敗の大きな原因は「飼育箱内の乾・湿度合い」と「飼育箱の中に入れた土の
 汚れ」と思います。
 まず、「乾・湿度合い」ですが、他の虫と同様、スズムシもやや乾燥気味の環境を好み
 ますので、土を湿らせるといっても土の色が変わる程度にとどめて下さい。
 また、「土の汚れ」ですが、虫が成虫になって産卵するまでの間に今まで使っていた土
 を全部とり換えてください。なお土は赤玉土(小粒)が良いと思います。
12.虫の産卵場所はどこですか?
 土に産卵する虫が多いのですが、マツムシはススキなどの根っこに、カンタンはヨモギ
 などの茎に、クサヒバリは生木の茎に、と云う様にいろいろあります。
13.来年孵化させるためには冬はどうするのですか?
 スズムシの場合は、全部死んでしまったら土の上を掃除します。次に土を湿らしてから
 飼育箱全部をポリ袋ですっかり覆い密閉し、温度が高くならない場所に翌年の4月中
 下旬までそのまま保管します。
 翌年の4月中下旬になりましたら、ポリカバーを外し、土が乾燥しないように様子を見   ながら、飼育箱の角からコップなどで水を入れ、孵化を待ちます。

                                      日本鳴く虫保存会 
                                             事務局
カテゴリー:日記
2014年09月07日 16時05分
スズムシの飼育方法

1.準備するもの
(1)飼育容器は市販されている「蓋のついたプラスチィック製の容器」を  活用します。
   過密飼育は避けてください。目安としては100円ショップ販売容器(蓋を  取ったサイズ)縦18×横10×高11㎝程度では510匹程度です。
(2)中に入れる土(土に産卵します)は「赤玉土(小粒)」入れる土の厚  みは3㎝程度です。そして乾いた土の色が変わる程度にほんの少し湿ら  せて下さい。(高温多湿は病気の元です)
(3)餌台兼脱皮場所(木製で下駄のような形のもの)
(4)餌入れ(ペットボトルの栓など活用)
(5)餌(市販の「小鳥の5分すり餌」を利用)、小松菜、なす等
(6)水入れ(中に溺死防止のため水苔などを入れる)

 

2.日常の飼育方法
(1)虫は手で触らないで下さい。コップか、紙の上に乗せるなどして移し  て下さい。
(2)飼育容器は虫が高温多湿を嫌いますので、空気の流れがある、日陰・  半日陰において下さい。なお、屋外はもちろん屋内でも天敵のアリ、ク  モが飼育容器に入る恐れがある場合は付属の蓋に目の細かい(通気性は  ある)を掛けてください。
(3)餌はなくなったら、またカビが発生したらすぐ換えて下さい。(夏場  では3~4日間に一回程度)、また、キュウリなどの野菜は夏場すぐカ  ビが発生しますので極力避けてください。
 (4)土が乾いたら水を少し入れますが、その時はケースの面に沿って流  して下さい。
     虫に水が掛からないようにすることが大切で霧吹きは使わないでくだ   さい。

(5)成虫になってから2カ月程度生きております。鳴くのはオスだけで   す。
  (6)産卵して、飼育容器の中の虫が全部死んだ後、きれいに掃除し、土   に湿り気を与え、容器ごとポリ袋等でスッポリ包み、翌年4月まで凍   らない場所で保管します。4月中旬を過ぎたらポリ袋の覆いを外し、   土が乾燥しないように時々水をかけておくと(このときはスプレーで   も可)、5月中旬から6月上旬頃には孵化します。

(7)判らないことがありましたら、下記までご照会下さい。

なお、沢山孵化してお困りの節は当会でお引き取りし、有効活用致しますのでご連絡ください。

会員の方にはスズムシの他にマツムシ、カンタン、キリギリス、クツワムシ、ウマオイ等々の飼育指導や虫の提供をしております。

日本鳴く虫保存会

カテゴリー:



2014年09月07日 15時03分
寺澤会長鳴く虫についてのエッセー(2014年8月読売新聞夕刊4回シリーズ)
新聞のコピーしたものですので読みにくいのですが、何とか判読できると思います。



カテゴリー:

2011年12月07日 09時57分
竹ヒゴの虫かご
1.2010年5月の新井さん
今回の大型連休で静岡に帰省した折、JR静岡駅の駅ビル内にある伝統工芸店で写真のような竹ヒゴ虫かごを見つけ、ちょっといい値段でしたが購入してしまいました。大きさは14X10X9cmで4725円。13種類あり、小泉八雲記念館所蔵の虫かごに似た「御殿虫篭」は94500円もします。

2.
竹ヒゴの虫かごについて前に蔭山さんから頂いたものが家にあります。写真ではわかりにくいのですが、普通の竹ヒゴの虫籠より、竹の太さの直径が半分、断面積では1/4ぐらいの細いヒゴでできております。そのためこれを作るには手間が掛かったと思います。といいますのは、私は誤って3本ほど折ってしまったことがあります。それを修復するために、普通の竹ヒゴを削って細い竹ヒゴをつくり、小さい穴に斜めから差込むのですが、ちょっと力を入れると直ぐに折れてしまいます。大変苦労した記憶があります。
こんなに極細ヒゴの虫かごは今まで見たことはありませんでしたが新井さんの静岡の伝統の虫籠同じなのかも知れません。
そういえば吉田さんの虫かごのスケッチがありますが、それには静岡の友人からもらったと書いてあります。
(石川)

3.
これは2010年11月の鳴く虫の例会のときに披露されたものです。内田さんが小泉八雲の虫かごの写真を見て再現したプロ級のものです。
これは普通の太さの竹ヒゴです。
昔のキリギリスの虫かごはは大体普通の太さの竹ヒゴでした。

4.千葉県長生市、安藤さんのご親戚の家に飾ってあった、舟の形の虫かご。
 (2014年9月2日日記から)


カテゴリー:
2011年12月12日 09時17分
虫かご
1.小野名誉会長の製作虫かご
小野名誉会長はカンタンのいろいろな虫かごを作っております。中にはカンタンのお鳴き台が入っており、カンタンはそこで鳴くようになっております。下の写真の向かって左のものは大河ドラマ「篤姫」にでてきた行燈を思い出させます。また贈られた人の家の家紋が入っております。うしろの2つは大きさは違いますが中にカンタンのお鳴き台が見えます。前の小さいのは東海道五十三次ぎの絵柄があり前後にあり見て楽しくなります。このほかいろいろ作っておりますが全て手の込んだものばかりです。

2.吉野顧問の製作虫かご
こちらはスズムシ、マツムシ、カンタン等いろいろな虫が飼えるすばらしい鑑賞用の虫かごです。
本職の方が作ったものと同じです。


(石川)
カテゴリー:
2014年11月15日 11時13分
中国での虫の声鑑賞
○中国では鳴く虫を花鳥市場で売っており、夏になるとかごに入れた鳴く虫を売りにくるそうです。虫はスズムシやキリギリスが主のようで、小さな虫では写真のような容器を、胸のポケットに入れ会社に持って行き、机の上に置いて鳴き声を楽しむ人もいるそうです。この容器は上海駐在の知人に花鳥市場で買ってきてもらったものです。寄木づくりで、本体、装飾保護板、ガラス、餌台、裏板の5つに分解できます。象嵌の精密細工をしたものなど相当高価なものもあるそうです。この容器にはクサヒバリを容れましたが、慣れてくると良く鳴くようになりました。
○中国では他にコオロギを闘わせるのが盛んに行なわれているとのことです。
○昨年ある人が北京から鳴く虫を持ち帰ったが、良く鳴きうるさくて困ったとのことです。緑色のこおろぎのような虫とのことでしたがが、何の虫でしょうか(石川)
13 「虫の声」の歌 更新
H18年3月14日(火)
鳴く虫というと年配者は先ずこの歌にでてくる虫を思い浮かべると思います。しかしこの頃はまだカンタンは出てきません。(石川)
カテゴリー:日記
2014年11月15日 11時33分
日本人と西洋人の虫の声の聞き方
ラジオ深夜便で聞いたのですが、脳神経外科の板倉 徹先生によると
「日本人は虫の音を左の脳で聞いているが、西洋人は右の脳で聞いているというもんです。日本人は虫の音に秋の風情を感じて楽しみますね。これは虫の音を”声”として認識しているもので、言語脳である左の脳で受け止めているというわけです。一方、西洋人にとって虫の音は、単なる”音”に過ぎません。音楽や雑音を聞きわけて処理する右の脳で受け止めているいるからだというのです。日本人に鳥の声が「てっぺんかけたか」(ホトトギス)とか「仏法僧」(コノハズク)と聞こえるのも、鳥の声が左の脳に入って、人間の言葉のように聞こえるせいかもしれません」
虫の声が「チンチロリン、チンチロリン」「ガチャガチャ、ガチャガチャ」や「スイーッチョ、スイーッチョ」と聞こえるのも左の脳に入って人間の言葉のように聞こえるためでしょうか。(石川)
カテゴリー:日記



2011年12月05日 11時13分
オペラに出てくる虫たち
新井さんが枕草子の「虫は・・・」、安藤さんが長唄に唄われている鳴く虫たちついて書かれておりましたので、思いだしたのがオペラに出てくる虫についてです。
それはチェコの作曲家ヤナーチェクの歌劇「利口な女狐の物語」です。ヤナーチェクは村上春樹の最新書下ろしの長編小説「1Q84」の冒頭に出てくる、「シンフォニエッタ」という曲で一躍有名になりましたのでご存知の方も多いと思います。
この歌劇は人間(森番)と女狐を中心に人間と動物、鳥、虫等生物で展開し、その向こうに自然との融和の世界が繰り広げられ、日本人にもなんとなく馴染み深いような気がします。
出てくる動物や生物では、犬、オン鶏、メン鶏、アナグマ、キツツキ、フクロウ、カエルや虫ではキリギリス、トンボ、人の血を吸う蚊、その他いろいろです。
日本の芸能である歌舞伎、能、落語などに動物は出てきますが、虫が出てきて口を利くのを見たことも聞いたこともありません。オペラでも虫が出てくるのはこれだけだと思いますが。
写真は2008年の小沢征爾のサイトウ・キネン・フェスティバルで上演された同歌劇の一場面です。
(石川)
カテゴリー:日記

2011年12月05日 11時04分
長唄に唄われている鳴く虫たち
安藤支部長さんの、地唄筝曲に唄われている鳴く虫たちのお話をとても興味深く拝読しました。
「枕草子」に鳴く虫のことが書かれていることを教えてくれた友人が、長唄の名曲の中に「四季の山姥(やまんば)」というのがあり、秋の鳴く虫たちの音を三味線だけで聞かせるところがあるよと教えてくれました。
これもちょっと長くなりますが:
 秋はさながら縁先に、三味線弾いてしんき節、髪の乱れをかんざしでかき上げながら畳 算眠る禿(かむろ)に無理ばかり、ほんに辛いじゃないかいな、同じ思いに啼く虫の、松 虫、鈴虫、くつわむし、うまおい虫のやるせなく、何れの里に衣うつ・・・虫の合方(三味  線による虫の音の独奏)・・・よくも合わせたものかいな・・・
もう一つの長唄の「秋の色種(いろくさ)」という曲には:
 はしいの軒の庭まがき、うけら紫くず尾花、共寝の夜半に荻の葉の、風は吹くとも露を  だに、すえじと契る女郎花、その暁の手枕に、松虫の音ぞたのしき・・・虫の合方(三味  線で松虫の音を独奏)・・・
筝曲「秋の武蔵野」では「もののあわれ」と秋の虫のおもしろさがよく唄われていて磯部艶子の作詞に感心します。鳴く虫の種類も主なものが網羅されています。一方この長唄の二曲には何やらぐっと艶っぽい雰囲気が漂います。日本の伝統音楽、日本文化の奥の深さというところでしょうか。それと、この長唄の二曲にもカンタンは登場していません。
(新井) 
カテゴリー:

2011年12月05日 10時42分
筝曲「虫の武蔵野」
邦楽(箏曲)で、宮城道雄作曲 磯部艶子作詞による箏曲「虫の武蔵野」に、少し長くなりますが、その歌詞、
      千代のふるみちふみ分けて、嵯峨野の奥の秋の夜に
      大宮人のふりはへて、虫をえらびしふることも、今更な
      がらしのばれて、武蔵野行けばほのぼのと、紫匂ふ薄
      霧に、みえつかくれつうちまねく、尾花の袖も懐かしく、
      ためらふほどに夕暮れの、月まつ虫のまづなきて、露
      の玉ぬく糸萩に、花の錦の機織りや、つづれさせてふ
      きりぎりす、草の枕にうたた寝の、夢の邯鄲うつし世を、
      いかにさとるか鐘たたき、かへるさを急ぐ馬追の、その
      馬子唄のおぼつかな、合わす鈴虫、くつわ虫、月影さら
      す玉川に、秋の哀れを声ごえに、流す調べのおもしろや、
      流す調べのおもしろや。
 この「虫の武蔵野」を何度か尺八で稽古演奏の経験がありますが、「虫の鳴き声の部分」は特殊な技法で、浅学な私など手に負えませんでした。それも本物の鳴き
声に近づけようとする無理が災いしていることもあるのではないか。かえって鳴き声も姿も知らない方が素直に出来るのかもしれないかなと、自己弁護しています。
 他に、地唄箏曲に秋の虫を唄われている曲には、
「さむしろ」「秋の言葉」「紀の路の奥 四季の段」 「八重衣」「萩の露」「虫の音」な ど、自然豊かな四季折々の花鳥(虫)風月を、音楽に採り入れた日本文化で、今 忘れかけられているのが残念です。
 9月に実施している日本鳴く虫保存会創始者小野公男名誉会長の「鳴く虫の音コ ンクール」は、正に「鳴く虫」に目・耳を傾けてくださる方々は、現代大宮人ではな  いか 思っています。          
(安藤
       
カテゴリー:
2014年11月15日 11時46分
 エンマコオロギと尺八
2011年10月15日安藤さんの会員日記より
エンマコオロギと尺八
  
 以前、クツワムシが尺八を吹き始めると、友鳴きか鳴き出したことを
書いたことがありました。
 それと同じように、あるいはもっと激しいエンマコオロギの雌への恋
の行動が見受けられました。
 野外では、すでに配偶行動は終わりになっていることと思います。
今、♀2,♂1を飼っています。♀は、すでに産卵は済んでいるようで、
♂も疲れたのか全くその行動はなくなりました。でも、夕方になると静
かに鳴いていますが、どことなく元気がありません。
 そんなエンマ大王も、尺八を吹き始めると、「俺だって、まだまだ元
気なのだ」と、恋の呼びかけ鳴きの「コロコロリーイ・コロコロリーイ」と
羽を振るわせ、なんと離れていた♀の横に寄ったり、上に乗ったり1ヶ月
前の若さに戻る面白さが観察できました。(神奈川支部安藤
カテゴリー:日記


2011年12月05日 10時38分
枕草子の「虫は・・・」
枕草子の冒頭の「春は あけぼの・・・・」はよく知られています。
「星は すばる・・・・ 」も聞いていました。
しかし、「虫は すずむし・・・・」と第43段にあるよと友人が最近教えてくれるまで私は知りませんでした。
読んでみると、虫はすずむし、ひぐらし、てふ、松虫、きりぎりす(今のコオロギ)、はたおり(今のキリギリス)・・・と続きます。
清少納言さんは「鳴く虫」としては一番スズムシがお気に入りだったようです。(新井)
一方、カンタンはリストアップされていません。現在鳴く虫の王様と言われて人気のあるカンタンは清少納言さんの頃は周りにいなかったのでしょうか。 (新井)

源氏物語 鈴虫
2014年5月7日の会員日記より
連休5月3日には妻と上野毛の五島美術館に国宝源氏物語絵巻を見に行ってきました。

国宝源氏物語絵巻
展示されていたのは鈴虫一、二、、夕霧、御法。それに復元模写 加藤純子筆
お目当ては鈴虫でした。
この中では源氏がいろいろな虫の声が聞こえてくるなかで鈴虫(今の松虫)は華やかで面白い。また秋の虫の声のなかで松虫(今の鈴虫))の声がとくに風情があるのでよいと言っているようです。
(神奈川支部石川雅夫)
カテゴリー:日記
2011年12月08日 08時45分
カンタンの交尾、産卵、共食い
カンタンの交尾
2009年7月16日の日記より
今月の初めごろからカンタンが鳴き始めましたが、今日は交尾しているところを写真に撮りました。オスは鳴くときのように羽をひろげているところにメスが後ろから乗っております。女性上位です。虫の世界は一般には大きさ、体力、寿命等いろいろな面でメスの方が上回っております。(石川)

カンタンの産卵行動
2009年7月17日の日記より
カンタンが産卵を始めました。昨日交尾していたカンタンなのか?尻を直角に曲げ、産卵管をヨモギの幹に何回も突き刺し、穴を開けているようです。その後2つか3つの卵を産むでしょう。(石川)

カンタンの産卵
2010年9月3日佐藤さんの日記より
今年はカンタンの孵化率がよかったためデッキに置いてある雑居飼育箱はカンタンだらけの様相を呈しています。この写真は飼育箱に入れておいたキソケイです。カンタンの産卵痕で穴だらけになりまさに満身創痍の状態です。今、我が家では暗くなると、スズムシ、マツムシ、カンタンを筆頭にさまざまな虫たちの大合唱が始まります。この声を聞きながらあけるビールはまさに至福のひとときです。(佐藤)

カンタンの共食い
2009年6月28日黛さんの日記より
カンタンが孵化して1か月半、今日(28日)飼育箱の大掃除をしていた所、偶然に共食いしているのを目にしました。
片足が取れて元気のない幼虫をまわりの元気な幼虫が見つけ、素早く食いつき見る見る食べつくされてしまいました。正に弱肉強食の世界。油断大敵です。ところで早いものでもう最終脱皮を終え、あと数日もすれば鳴き始める可能性があるものが出てきました。皆さんの所はどうですか? (黛)


カテゴリー:

2011年12月05日 09時13分
カンタンの一言 
何やら。今書きたいことは。虫を飼って特にカンタンなんです。
私の住んでいる。20年程前までは。夜になるとカンタンも鳴いていました。しかしカンタンの鳴く音には一抹の淋しさ。この淋しさの中にも一瞬ゾーッとしそうな鳥肌が立つ思いが有りました。其んな訳で余り好きになれない虫。カンタンだったが。この度はそんな気持ちを変えてくれた。それは私の作った。小さな竹篭の中にオス一匹だけ入れて飼ってみました。鳴くのかなー 鳴かないのかなー と思い乍ら淋しくも又侘しくも鳴かないなー と思っていたら。其れがどうだろう小さな篭の中で思い切り大きな鳴く音で。どう表現したらいいだろう。玉を鈴を転がすかのように鳴く鳴く。其の鳴く音に妻も鳴く音が谺するようだねーいいなーと楽しんでいる昨今です。
連日連夜 強弱をつけ乍楽しませてほしいーカンタン君
(吉田)
カテゴリー:日記


2011年12月04日 09時24分
カンタンとの出会い
○平成元年(1989年)7月5日、夜の9時ごろ、ほろ酔い気分で銀座8丁目のコージコーナーあたりを歩いていたら、鳴く虫を売る夜店があり、そこでカンタンを売っておりました。カンタンについては高尾山や御岳山でカンタンの声を聞く会があるのは知っておりましたが、実際に目にするのは初めてでした。値段を聞きましたら6センチ四方ぐらいの小さな桐の箱に入ったオス1匹2,000円とのことでした。ずいぶん高いなあと思い値引き交渉しましたが、他の虫ならまけるがカンタンだけは駄目だとのこと、やむを得ずそれを買い、大事を取って冷房の効いたタクシーに乗せて家に持ち帰りました。そのカンタンは約3ヶ月間毎夜すばらしい声を聞かせてくれました。
○このエピソードを私は鳴く虫保存会の例会で話しましたら、千葉支部の成嶋さんがやはりその夜店で「がちゃがちゃ(クツワムシ)」を買ったとのことでした。類は友を呼ぶといいますが、やはり虫が好きな人ならではと思いました。
○小野名誉会長がカンタンの人工飼育に成功したのは1966年ですから、今考えると2,000円はやはり少し高かったような気がします。もっともこのカンタンは野生のものだったと思います。
○あのころは銀座の夜店で鳴く虫を売っておりましたが最近は見たことがありません。あのころ最後だったのか懐かしいく思われます。(石川)
追記
○H18年の探虫懇親旅行会のとき武蔵野支部の池田さんと話していましたら、永井荷風の「断腸亭日乗」の中に「銀座でカンタンを買った」という内容の記事があるとのことでした。この著書は荷風の大正6年から昭和34年までの全7巻にわたる膨大な日記です。なお断腸花とはシュウカイドウのことだそうです。荷風の庵にはこの花が咲いていたのでしょうか。池田さんの格調高いお人柄と深い知識に触れ、私もその本から何とかその記事を探してみたいと考えておりました。新刊の要約「断腸亭日乗」を買って探しましたが載っておりませんでした。
○その後池田さんわざわざその掲載箇所を探し、それを教えくれました。これに基づいて図書館から「断腸亭日乗」の第一巻を借りて読みました。
内容は
大正9年(1920年)7月5日「晩涼を追い銀座を歩む。虫屋にて邯鄲を買う。その価金壱円なり。」でした。
○荷風は大正9年(1920年)7月5日に銀座で邯鄲を買い、価格は壱円でした。私は約70年後の平成元年(1989年)の偶然にも同じ7月5日に銀座で邯鄲を買い、価格は
2,000円でした。荷風が買った壱円は当時ではかなり高かったような気もします。
○その後小泉八雲の「虫の音楽家」を読みましたが、それによれば荷風よりもさらに約30年前の明治10年(1887年)の東京の虫の価格表によればカンタンは10銭~12銭となっております。
(石川)
カテゴリー:
2012年02月06日 08時53分
集音器
2009年11月17日新井さんの日記より
この秋、鳴く虫の声を録音している時に集音器の必要性を感じました。
隣の家の庭の樹木で鳴いているのがクサヒバリらしいのにマイクを近づけられなくて上手に録音できなかったので、自作を思い立ち写真のようなものを作りました。
100円ショップで見つけた15cm径のプラスチックの椀に有り合わせのマイク(このSonyMD録音機に付属していたものかも知れません)を取り付け、ホームセンターで見つけた150円の木の丸棒をL金具で付けただけのものです。
こんなものでも集音力と指向性はかなりあり充分役に立ちます、うまく録音することができるようになりました。
今はSDカードなどを使ったヴォイスレコーダが出まわっていて、MDは時代おくれでしょうがこのMDレコーダの録音は非常に自然の音に聞こえ、私は満足しています。
(新井)
カテゴリー:
2012年02月06日 08時56分
集音器2
新井さんの日記(現在コラムにあり)に触発され、私も集音器の作成に取組みました。100円ショップでステンレス製のジョウゴを購入、鉄ノコで加工し、小型マイクを取付けて完成。見栄えも、強度もほどほどにありました。早速今鳴いているムニンエンマコオロギでテストしましたら、バッチリでした。
(石川)

カテゴリー:日記
2019年04月10日 19時34分
日記のタイトル
ここに日記を書きます。
カテゴリー:日記

2014年11月15日 11時22分
昔の思い出“春の雨”“鎌切じいさん”
一寸昔の思い出した事を書いてみよう。私が国民学校1、2年頃かと思うが、姉の大切にしていた教科書の一部を書いてみます。春の雨という詩」なんです。
春の雨、春の雨 萌えて明るい若草に しとしと細い雨が降る 雨は糠か糸のよう。
ここは川端柳の芽 濡れて雫が落ちるたび 広がる波のわが円い 春は春でもまだ始め。
村から町へとゆるやかに 少しにごって行く水よ タマゴのからを浮かべたりエビやメダカも泳がせて。
 この詩は今でもなつかしく思い出し。自然の美しさ、大切さをかんじます。
今一つ忘れられない鎌切の話が有るんです。それは私が2年生の時分におそわった国語の一節です。鎌切じいさんという教科書の一コマです。
鎌切じいさん。鎌切をかついで畦道を。遠い田ん圃へ急ぎます。きれいに晴れた秋の日に。遠い田ん圃に急ぎます。
 
鎌切もあまり好きだという方は少ないです。特に女性の方は。でも私は好きなんです。今年も植木の上に虫を飼っている。日除の上にと4匹ばかり。自然の少ないこの地から。とんで来たのか体長2センチ程の鎌切が4匹。手のひらにそっとのせてみた ジーとして私を見上げ短い尻をピンと上げ。プルプルンと尻を動かし面白い虫で有る。鳴く虫には大敵かも。現在4匹どうなるか待ちたい。
(吉田)
カテゴリー:日記

2011年11月04日 10時41分
虫のスケッチ
神奈川支部吉田さんの虫のスケッチ傑作集

2014年2月28日日記からカネタタキ

2011年キリギリス

2011年ヤブキリ

2011年さくらんぼとキリギリスの幼虫

2010年大姫りんごとキリギリス

2010年昔静岡の友人が買ってきてくれた虫かごとキリギリス

2010年なた豆と虫

2010年西瓜とカマキリ

2010年カラフトキリギリス

2010年ナポレオン桜桃とキリギリス

2009年マツムシとビワ

カテゴリー:
2011年12月02日 10時59分
会員の句集詩集
1)「句集 踏青」蔭山常雄著 本阿弥書店発行
鳴く虫保存会の大御所蔭山さんが俳句集。
この著書は本格的な俳句集です。俳句のプロとして、鋭い観察力、なるほどと思わせたり、場合にはユーモアを感じさせる俳句集です。使われていると言葉も情緒があり、語彙も多く語感がぴったりな漢字(難しい漢字もありますが)をお使いになるなどすばらしい俳句集です。
いくつかある鳴く虫についての句も共感をもって親しみを感じさせます。
著者略歴
昭和52年~56年 「馬酔木」に所属、市村究一郎に師事。
平成3年 「カリヨン」入会
平成9年 「カリヨン会員」
平成15年 俳人協会会員

2)詩集 「虫の葉隠」西沢杏子著 ㈱花神社発行
鳴く虫保存会の会員である西沢杏子さんがいろいろな詩集を出しております。これはその一部です。
著者の略歴
85年 ”トカゲのはしご”で毎日新聞「小さな童話大賞」受賞
詩集に「虫の落とし文」「虫の曼荼羅」など。
日本児童文学者協会会員
日本文藝家協会会員
カテゴリー:
2016年10月31日 09時23分
鳴く虫参考書2
「鳴く虫の捕り方・飼い方」 後藤 啓 著 築地書館
定価 1800円+税
カテゴリー:日記


2011年12月02日 09時46分
鳴く虫参考書1
1)「鳴く虫の王様カンタンを育てる」(小野公男著けやきブックレット16)
日本で初めてカンタンの人工飼育に成功したカンタンの権威小野名誉会長の著書
2) 「 鳴く虫セレクション」  音に聴く虫の世界  東海大学出版会 
 鳴く虫の学術書、専門書。鳴く虫の上級者向け。
このうち  4章 もっと鳴く虫を楽しむために
 ○ 鳴く虫を飼おう ~ ③-7キリギリス を神奈川支部の安藤さんが執筆
3)「スズムシ日記」やさしいスズ虫の飼い方 松井智和著全日本スズ虫協会
4)「鳴く虫の博物誌」松浦一郎著 文一総合出版
5)「琉球列島の鳴く虫たち」 大城安弘著 鳴き虫会
当会としてリュウキュウマツムシで大城先生のご指導を得ております。



虫の鳴き声が入った参考書
2014年10月18日神奈川支部新井さんの紹介
バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑 日本直翅学会監修 村井貴史、伊藤ふくお著

その序文に「日本直翅類学会が2006年に刊行した「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」は、好評を博しましたが高価(54000円)な大型本であったため、初心者が気軽に購入できるものではありませんでした。この「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」は、その「大図鑑」を基に編集し、日本で初めての本格的な直翅目の生態図鑑として、使いやすい手軽な図鑑として、初心者から専門家まで幅広く活用して頂けるもの。」とあります。
 
450ページの殆ど全頁がカラー写真と図で、コオロギ類23種とキリギリス・バッタ類23種の鳴き声のCD2枚付きで2600円(+税)と求めやすい値段です。


カテゴリー:

2011年11月04日 10時32分
「虫の声」の歌とコメント、「虫の楽隊」
鳴く虫というと年配者は先ずこの歌にでてくる虫を思い浮かべると思います。しかしこの唄にはまだカンタンは出てきません。
 
(明治43年7月 尋常小学読本唱歌)
虫の声 文部省唱歌
一、
  あれ、マツムシが鳴いてゐる。
  チンチロチンチロ、
  チンチロリン。
  あれ、スズムシも鳴き出した。
  リンリンリンリン、
  リインリン。
  秋の夜長を鳴き通す、
  ああ、おもしろい虫の声。
二、
  キリキリキリキリコオロギや、
  ガチヤガチヤガチヤガチヤ、
  クツワムシ。
  あとからウマオイ追いついて、
  チヨンチヨンチヨンチヨン、
  スイツチヨン。
  秋の夜長を鳴き通す、
  ああ、おもしろい虫の声。

2009年9月14日の新井さんの日記
NHKのFM放送の新番組「日本の歌・世界の歌」の中で文部省唱歌「虫のこえ」を放送していました。
聞いていて、あれちょっとおかしいのではないかと思いました。
あれ松虫が鳴いているチンチロチンチロ・・・・鈴虫も鳴き出したリンリンリンリン・・・・ガチャガチャくつわ虫・・・・あとからウマオイ追いついてチョンチョンスイッチョン・・・はいいけれど、歌の2番の始まりの「キリキリキーリキリ コオロギも・・」というところ。コオロギの鳴き方はキリキリよりはコロコロが一般的ではないのか?と気になったのです。
元々の文部省唱歌ではコオロギではなくキリギリスであったという話を思い出しました。安藤支部長さん共著の「鳴く虫セレクション」にも内田正吉さんが述べておられます。岩波文庫の堀内敬三編の「日本唱歌集」を見ると確かに明治43年尋常小学読本唱歌「きりきりきりきり きりぎりす・・・」となっています。
その後どうしてキリギリスが現在のコオロギに変えられたかは、私の想像ですが、キリギリスの鳴き声は「ギーーッチョン」であり「キリキリ」はおかしいのではという指摘があったが、いやこのキリギリスというのは実はコオロギのことなのだ、昔は(明治の頃も?)コオロギのことをキリギリスと言っていたのだ。それなら歌詞を「キリギリス」から「コオロギ」に変えて歌おうということになったのでしょう。
しかし、コオロギの鳴き声は「キリキリ」よりもエンンマコオロギの「コロコロ」が代表的ではないのか?
そこで私は学研の「新古語辞典」で「きりぎりす」を引いてみました。次のように出ています。
コオロギの古名。秋に「綴り刺せ」と鳴くという。「秋風に綻びぬらし藤袴綴り刺せてふきりぎりす鳴く 古今集1020」
そうか、文部省唱歌のキリギリスはツヅレサセコオロギのことなのだ、ツヅレサセコオロギならばキリキリキリと聞き做してもおかしくない、キリキリよりもリリリリリリと普通は聞き做しされるだろうけれど。明治の作詞者(不詳)も古今集のこの歌を踏まえてツヅレサセコオロギの鳴き声を歌詞に取り入れたのかも知れない。
ツヅレサセコオロギでなくてもエンマコオロギ以外の多くのコオロギは リリリリ・・・とか ギギギ・・・と鳴くから、「キリキリキーリキリ コオロギも」
とコオロギの鳴き声を「きりきり」としてもおかしくはないかと納得する気になりました。
それと、元々の歌詞の「きりきり きりぎりす」は、鳴き声に忠実に「りりりり きりぎりす」よりも、「きりきり きりぎりす」の方が語呂がいいから「きりきり」にしたのかもしれません。
以上が私の推論です。こんなことは先刻当会でも、或いは他の方々で論じ済みのことかもしれませんが。
新井 彰
虫の楽隊
作詞 桑田春風
作曲 田村虎蔵
一、
  千草・八千草、乱れ咲きて、
  花を褥の夢おもしろと、
  おのずからなる虫の声々
  チンチロリン、チンチロリン、
  スイッチョ、スイッチョ、
  ガシャガシャ、ガシャガシャ、
  ガシャガシャ、ガシャガシャ、
  月ある夜半は
  秋の野面の楽隊おかし。
二、
  鈴虫・松虫・くつわ虫や、
  こおろぎ・馬追・鐘つき虫の、
  節もさまざま、歌に囃子に。
  チンチロリン、チンチロリン、
  スイッチョ、スイッチョ、
  ガシャガシャ、ガシャガシャ、
  ガシャガシャ、ガシャガシャ、
  風なき夜半は
  秋の野面の楽隊おかし。

カテゴリー:

フッターイメージ